和服探偵
一気に上機嫌になった花嫁さんを見て、執事さんの仕事は大変だなと感じる。でも、亜梨沙ちゃんの執事ならしてみたいかも……。

「無事に収まったみたいね。早く戻ろっか」

亜梨沙ちゃんにそう言われ、僕は頷いた。

これから、幸せな結婚式が始まる。誰もがそう信じて疑わなかった。



結婚式は順調に進んでいった。花嫁さんはとても綺麗だし、花婿さんもイケメンでとてもお似合いだ。

結婚式に出席するなんてと緊張していたけど、綺麗で厳かな儀式を見ていたら緊張なんてなくなっちゃった。幸せいっぱいの二人から目が離せない。

「とっても綺麗だね!」

僕がそう言うと、「本当!私も結婚式してみたいな」と亜梨沙ちゃんは笑う。そして、結婚式は無事に終わって披露宴が始まった。

会場を移動し、僕たちお客さんはそれぞれ椅子に座る。目の前には、三ツ星にも選ばれたお店のシェフが作ったらしく僕の見たことのない豪華な料理が並べられていた。
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