和服探偵
亜梨沙ちゃんの宿題を写させてもらっていると、亜梨沙ちゃんが「ちょっと頼みたいことがあるんだけど」と笑って言った。何だろう。

「僕にできることなら何でもするよ」

「そう？なら、今度の日曜日に私の親戚が結婚式をするの。その時に一緒に来てほしいんだ」

「へ？」

「私のナイトになってほしいの。お父様たちはどうしても行けないから……。ねっ？」

上目遣いでじっと見つめられ、断ろうにも断れない空気が生まれる。胸が高鳴ってどうしようもない。

「わ、わかったよ」

「ありがとう！」

亜梨沙ちゃんは無邪気に笑う。それに見とれていた僕は慌てて宿題を写すのに下を向いた。でも、火照った顔は誤魔化せない。

亜梨沙ちゃんはパーティーなんかによく行ってるみたいだけど、僕はそんな場所に行ったことないな。うまくできるのかな。

不安の中、僕は亜梨沙ちゃんと結婚式と披露宴に参加することになりました。



そして迎えた日曜日。僕はもう緊張でどうにかなってしまいそう……。

「スーツ、似合ってるじゃない」
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