私とあなたのラブシークレット
2人で抜けて、浴衣のまんま
鈍器に向かおうとしたあたしたち
「どこに行く」
「理事長」
「伊蕗にぃ」
「学際の最中だぞ」
「足りないものがあるので、買い足しに行くんです」
「ほぉ」
パッと閃いてしまった
「お兄ちゃん。お願いっ」
「え?」
「荷物がいっぱいになっちゃうから、車の運転お願いっ」
「はぁ・・・駐車場で待ってろ。
それと、2人とも何かを羽織ってこい」
やった!
クラスに戻って、浴衣の上から、薄手の羽織りをかけて
駐車場へ行くとすでに運転席にいた伊蕗にぃ
「すいません。理事長」
「まさか、愛実からこんなお願いをされるとは思わなかった」
むっ
「でも、可愛い妹のためだ」
!?
「優しいお兄さんでいいね。
しかも2人もいるなんてね」
「・・・っ」
静かに発進している車で
外を眺めていると見覚えのあるロゴマークのお店で
「先に中行ってろ」
「はーい」
一応、お父さんからカードも預かってるけど
使ったことがない。
というよりも使うほどの買い物をしないでいるし
いつも、買い物に行くと翔哉さんが払ってくれるから
あたしが払うことがない
きっと今も伊蕗にぃが出してくれるのだろう
「こんなもんかなぁ?」
デカいカート3つ分に沢山詰め込んだ。
飲み物や駄菓子、おつまみシリーズ
そしてなぜか、すでになくなっていた文具シリーズとか
いろいろ用意した。
「すげぇ量だな」
量の多さを見てびっくりしている伊蕗にぃ
それでも、当り前かのように伊蕗にぃが出してくれて
すごく助かったし、
あの場に伊蕗にぃがいてくれてよかった
「分割になさいますか?」
「一括で」
「かしこまりました」