私とあなたのラブシークレット
~翔哉side~

「伊蕗さん。なんで、愛実にあんなことを」

「翔哉。お前に言っておく。
三ツ谷家に養子として入った愛実が
俺たち家族以外から大事にされていたことなんて
1度もない。執事やメイドも愛実に直属につけても
決して、愛実の世話なんてしない。やったと嘘をつくぐらいだ」

「!?」

「兄貴、嘘だろ?」

「本当だ。中学の時、覚えているか?」

「あぁ。忘れてねぇ」

「あれも、わざとあいつらはやらなかった。
そして、それは親父の耳にもお袋の耳にも入っていた。
なのに、親父も何もしなかった」

!?

「愛実が、あの家で唯一助けを求めたのは
”母親”で、俺達だけだ」

「・・・っ」

「愛実をこの学園に入学させて、プリンセスにして
婚約者に推薦したのは、俺だ。
それは、三ツ谷家から愛実を守るためだ」

三ツ谷家から、愛実を守る・・・か

「深瀬に戻れば、今よりはましになると思ったんだ」

「じゃあ、愛実の男性恐怖症や人見知りは」

「三ツ谷家の執事やメイドが原因だ」

嘘だろ・・・?
そんな身近な人物から発症していたとは・・・
< 120 / 185 >

この作品をシェア

pagetop