私とあなたのラブシークレット
親父の部屋を出てきたお袋は
俺を見て驚いた顔をしていた
「聞いていたのね」
「はい」
「いい?あなたは・・・
あなた達兄弟は何があっても、私が守り抜くわ。
この命に代えても。」
「何、言ってるの?」
「何でもないわ。もう休みなさい」
そう、部屋に行くように催促されてしまった俺は
どうする事も出来ず、部屋に戻っても
その日は、寝ることすらできなかった
翌日
普通に起きていくも
重々しい空気はそのままに両親がいるわけもなく
お袋は、親父の顔も見ることなく庭へと行ってしまった
でも、俺には見えたんだ。
お袋が泣いているのを・・・
慌てて庭に行くもカラ元気な様子の母
「伊蕗・・・?」
「お母さん。泣いたの?」
「あら、やだ。伊蕗には分かっちゃったのね」
泣き顔を隠すのに必死になっている母親を見たのは
先にも後にもこれが最後だった
「伊蕗。お母さんの実家に行く?」
「お母さんの実家?」
「そう。おばあちゃんの家」
お祖母ちゃんの家、つまりは三ツ谷家と離れることが出来る