私とあなたのラブシークレット

そして、この学園に来ると決めたのは
愛実本人で、合格と同時に、プリンセスに指名したのは
俺で

「翔哉。なんでお前を婚約者にしたかわかるだろう?」

「俺昔愛実に会ってますよね?」

「あぁ。篠田のパーティーに呼ばれたときにな。
あの時愛実を置いていったら、きっと執事たちにDVを食らっていたかもしれない」

「・・・っ
感謝してます。伊蕗さんにも京介にも」

「愛実はな?執事やメイドに
あの人がいるから、世話をするだけで会って
三ツ谷の血も継いでいないあなたの面倒をみる
事なんて一切あり得ませんから」

「そんな言葉を、愛実に浴びせたんですか!?」

「あぁ。愛実本人がそう言った。
自分の専属の執事やメイドたちの前にして。」


「愛実を、見る表情は、俺たちの時と比べて
無表情に近いぐらいだったんだ。それが
愛実の不安を大きくして、男性恐怖症を発症した」

「っ」

「それが、小学生のころだ。中学になれば
愛実のしたくすらしないで
愛実は自分のことは自分でしてたんだ。
昼の弁当も、夕飯も、学校行事にも
何も俺たちに言わなかった。けどあいつは
それが辛かったんだと思う。」

「でしょうね」

「授業参観も、保護者同伴で帰るときも、全部俺達兄弟はメイドや執事だった
なのに、愛実は、俺と帰ってることが非常に多かった」

それがどういう事か、分かるな?
そう言われた俺は、何も返せなかった

俺も当り前にしてた生活は
愛実にとって、とても大変な思いでしかなかったんだろう

「中学の文化祭もお袋には声をかけていたよ。
親父には声を掛けられなかったと言ってたが、事実は違う。
声を掛けなかったんだ。いや掛けられる状態ではなかったんだ」

「そうか」
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