私とあなたのラブシークレット
重々しい空気の中、走り出したあたしたちを乗せた車で
翔哉は何かを考えこんでいるようだった

「愛実。お前に話しておくことがある」

「話し・・・?」

さっきも、それを言ってたよね?
あたしに話してないことがあるって

「深瀬のことだ」

深瀬・・・?
「本当のお父さんの事・・・?」

「あぁ。愛実を深瀬に戻そうと動き出していることが分かっている」

「!?」
あたしが、深瀬に?
今更、深瀬に戻るの・・・?

「でも、それはきっと、表向きだ。
愛実を深瀬に戻したら、何をしでかすか分からない。
篠田家の力も、三ツ谷の力も
深瀬からしたら、絶大な権力を持っている。
だけどな。俺と愛実が婚約している以上
深瀬はきっと、取り入ろうとするだろう」

・・・っ

「だから・・・」

「深瀬邸に到着いたしました」

ねぇ、だからの後翔哉は何を言おうとしていたの・・・?

「ありがとうございます」

それだけ言うと降りていく翔哉を見つめているしかできなくて

「愛実・・・?」
< 172 / 185 >

この作品をシェア

pagetop