私とあなたのラブシークレット
「翔哉?」
「悪いな。黙ってて」
ううん。いいの
でも、まさか深瀬に戻させようとしてたなんて思いもしなかったけど
「愛実さん」
?
すっと前に出て、あたしを隠すようにしてくれる翔哉
「愛実に何か」
「ここは、あなたの家でもあるのよ?
なのに、なんで・・・」
ここは、あたしの家でも・・・か
「なんで、というのなら話します。
あたしにとって、この家は他人の家でしかないんです。
幼いころに、父に置いて行かれたというのも、あたしは
兄たちに教えてもらいました。
あたしの家は、三ツ谷で。それはこれからも変わることはないんです。
あたしを深瀬に戻そうとしていたらしいですけど
あたしは、この家を実家だとは思いません。
そして、この家に戻ることは間違いなくないです」
「!?」
「あたしが、翔哉と婚約している中
違う人と、婚約をさせようとする渉さんの意味も分かりませんし」
「え?あなたたちは、すでに婚約をしているというの・・・?」
「はい。してますよ。
なのに、違う男と?冗談じゃない。
なら、あなたがたの娘たちのどちらかにさせればいい」
「そんな」
「そんな事出来ない?現に、あたしにはしようとしてた人間なのに?」
可笑しいでしょう?そんなの
「篠田は、深瀬と提携の話もあったみたいですが
今回のことも踏まえて、再度検討させていただきますよ」
「・・・っ」
「まだ、車にいなかったのかよ?」
「京介」