私とあなたのラブシークレット
逃げるように歩き出したあたしの腕をつかんで

「逃がさねぇ」

そう言って後ろから抱きしめられて
どうする事も出来なくって

「こんなところでいちゃついてるな」

「い、伊蕗にぃ、みのりさんっ」

「ごめんね。でも、あのままの愛実ちゃんを見ていられなかったから」

「・・っ」

「でも、心配いらなさそうね?」

「心配?」

「女同士の秘密よ。
翔哉君にも教えない」

「秘密って」

後ろから抱きしめられたままのあたしを見て
ほっとしている2人

「でも、翔哉。分かっているだろう?
愛実が婚約破棄を申し出ている以上
今はお前は愛実の婚約者ではない」

「俺は、認めてなんて」

「お前が認めなくても
”プリンセス”である、愛実がそれを言うと
いう事は、事実上の破棄と一緒だ」

「くそっ」

「伊蕗。それじゃあまりにも酷だわ」

「甘いことを言っている場合じゃない」

「なら、プリンセス制度で選ばれた婚約者じゃなくて
”俺”が選んだ婚約者にして見せる」

はい?

「どういうことか分かっているのか?」

「分かっています」

自分で選ぶと言うことは
お兄ちゃん2人に認めてもらえるまで、婚約できないんだよ?
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