私とあなたのラブシークレット

それでも、買ったものを翔哉さんが持ってくれて
寮に連れて帰ってこさせられて

「翔哉、さん?」

寮についても手を放してくれない翔哉さん

「まさか、破棄されるとは思わなかったけどな」
頬に手が当てられると
ビクッとするあたしにもお構いなしに
あたしに触れてくる
でも、嫌じゃない。
寧ろほっとしてる自分がいる

「言ったろ?泣くのは、俺の前だけでいいって」

・・・確かにそう、言われた
言われたけど

「まぁ、これからは”婚約者”としてじゃなくて
”1人の男”として、見て貰えるようにしなくちゃな」

え?
1人の男・・・?

「どういう・・・」

「まだ分かんねぇの?」

分かんないよ。
翔哉さんの気持ちなんて

「俺は、お前が好きだ」

へ?
誰が、誰を好き・・・?

「俺が、お前を」

「う、嘘だ!」
「どうしたら、こんなことで嘘をつくんだよ」

「だって、だってあの時」

「あの時?」

あ・・・

「あの時って何」

「言わない」

「言えよ」

「言いたくないんだってば」

「言え」

・・・っ

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