爽やか王子の裏側は


翌日


……


なんか、日に日に日菜ちゃんと横山くんの距離が近づいていくのは気のせいだろうか


「おはよう華乃ちゃん」


「おはよう日菜ちゃん、横山くん」


「おはよう」


「一緒に来たの?」


「下駄箱であったのー」


そうなんだ


すごいな


あの日菜ちゃんが…


わしゃ嬉しいよ泣



あ、シクラメン…ちょっと元気戻ってきたかも!


昨日よりも赤みが増した花を見て笑みが溢れる


「何笑ってんの?」




うお、園川くん!


小さな声で私にそう言ったのは園川くんだった


「シクラメン、昨日まで元気なかったんだけどちょっと復活してきたなって!」


「…そんなことで笑ってんの?」


へ?


「…いや。ふふ、なんでもない」




よく分からなかったけど…まあいいや


園川くんから目を離しシクラメンに向き直った時、



ざわわっ!


ん?


なんだか変にざわついてる


廊下の方がうるさい


なんだなんだ?


「ね!そうでしょ?」

「本当だ…しっかり見たの初めてかも」




なに?


「長谷川くんだ!」


長谷川くん?


「うわーかっこよ!」

「てかここに来るなんて珍しくない?4組だから階違うし」


廊下でみんなの注目を集めていたのはまさかのまさかの長谷川くん


え、長谷川くんって有名人なの?


この学校は全5クラスで、45組は123組と階が違う


確かに珍しいけど


「うわあ…本当だ。やっぱ似てるね」


似る?


「長谷川先生の弟でしょ?」



……



は?



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