爽やか王子の裏側は



「西村華乃」



……


状況が飲み込めない


クラスや廊下に出てるクラスメイトの視線は全て私に向けられている


そして目の前には注目の的の長谷川くんがいる






え、私?


「は、長谷川くん」


「今日放課後」


放課後?


「昨日のとこ来て」





昨日のとこ?


ああ、


「旧校sふぐ!」


!?


言いかけたら口を押さえられた



え、な、なんで



そのまま細い指を口元まで持っていき、



「しぃー」


し、しぃ!?


言うなってことですか?


な、なぜ!!!


え、て言うかそれだけ?


くるっと方向転換



え、もう帰る……ん?



私の後ろにいた園川くんと振り向いた長谷川くんがバッチリ視線を交わしていた


あ、長谷川くんの方が背高いんだな


……ん?


な、なんだろう


なんだこの空気


園川くんが…なんかおかしい


決まり悪そうに長谷川くんを見上げた


「大翔…」


!?

え、今ひろって、え?


「……」


長谷川くんは一旦動きを止めたものの園川くんの横を通り過ぎてしまった


またざわつくクラス





なんだったんだろう今の…


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