爽やか王子の裏側は


翌日


私が園川くんに思いを寄せていることを知っているのは今のところ日菜ちゃんだけ


私の口から言ったことはなかったけど

なぜかあの子知ってたんだよね


「日菜ちゃん…ちょっといい?」


だから…改めてちゃんと私から言おう


「どうしたのぉ?」


いつも通りのほわっとした表情

その虚な目を見てはっきりと言う


「私ね、園川くんが好き」





う、言葉にすると恥ずかしいな


人があんまりいないところだったから変に声が響いてるようで気まずい


「うん」


「ごめんね変に改まって…あの、ね。今までとは違って…えっと」


「分かるよ」


へ?


「前と違うもん。なんか毎日忙しそうだし、楽しそうだったから。前までのただ見てるだけの華乃ちゃんとは違うから」


お、おお

日菜ちゃん…


意外

そんなとこ見ててくれたんだ


「華乃ちゃんのなんとか川くんに対する気持ちはすごくわかるよ。私の横山くんに対する気持ちと同じでしょ?」


……


は!?


「え、え?そ、それって」


よ、横山くんに対する日菜ちゃんの気持ちと同じ?


「私ねぇ横山くんが好き」


…ぽぉぉぁぁぁぁぁ


「それとおんなじ気持ち。
私たち恋してるの一緒」


ひ、日菜ちゃん


「恋って楽しいね」


日菜ちゃんがふわっと笑った


うん。


「楽しいね」


「私、華乃ちゃんの恋、応援する」





「私も、日菜ちゃんの恋、応援する」


「一緒に頑張る」


ふふ


「うん!」




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