爽やか王子の裏側は
日菜ちゃん…
いつの間にかそんなことになっていたなんて
教室に戻るなり横山くんのところに走って行った日菜ちゃんは
もうすっかり女の子だった
私もがんばろう
好きな人のために
……
と言っても何をすればいいんだ私は
とにかく…話を聞かないわけには進まない
でも…
話してくれるかな…
もしまたあの愛想笑いを向けられたら
…ズキ
でもこのままってのも
…ズキ
だああああっ!
どっちにしてもズキズキするなら絶対聞いたほうがいい!!
そうだそうに決まってる!
「何やってんの西村」
!
シクラメンの前で頭を抱えていたら冷静な声に呼ばれる
「そ、園川くん」
「頭大丈夫?」
う、グフっ
なんなんだこの野郎
こちとら貴様を心配してんだぞ
「な、なんでもありません」
落ち着こうとりあえず
もう少し考えてから聞こう
長谷川くんには多分聞けない
名前を出した時点であんな態度取られちゃったから
…怒ってたのかな
どうしよ
でも私悪くないよね
だって知らなかったんだし
大丈夫かな、長谷川くん
園川くんはクラスが同じだから様子を見ることはできる
でも長谷川くんは委員会がなければ会うこともなかった存在
彼が今どんな気持ちでいるのかなんて私にはわからない
…勝手に捜索するのを嫌がるかもしれない
でも……