爽やか王子の裏側は



「…西村」





「話してくれませんか?」


「え?」


「園川くんの悩み。その笑い方をする理由を」


「…」


「無理にとは言いません。何の分際で聞いてるんだって感じですけど…
第三者だから話せることってあったりするし
園川くんの嫌いな…綺麗事かもしれないけど

力になりたいの」





切実な思いです


音楽室


窓も開いてないし、吹くはずのない冷たい風が


足元をよぎった気がした


少しの沈黙


今までの私だったら多分この間はとても苦痛だろうけど





そりゃ、気持ちの良いものではないけれど


園川くんの返事を待とうと思えた



どれほどの時間がたっただろう


あんまり経ってないのかもしれないけど


園川くんが沈黙を破った


「大翔とは…中学が同じなんだよ」


!!


思わず下をむきかけてた顔をバッと上げた


「…聞いてくれる?俺の話」





「うん」


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