爽やか王子の裏側は
てかもうすぐ昼休み終わるんだけど
あいつらまじでどこ行ってんだよ
グルグル回って図書室に戻ってきたけどやっぱりいない
はぁ
何やってんだか
もういいや戻ろ
見つけたところで何するかも決めてなかったし
教室に続く廊下を悶々としながら歩く
ん?
…!!
あれって
見つけた
「西村!」
前方を歩く女子生徒の名前を呼んだ
黒い肩下までのサラサラの髪と白い肌
その綺麗な髪を揺らして俺の声に振り向いた
「園川くん?」
…
ちょっときもいことを重々承知で言うけど
俺、西村に名前呼ばれるの好きだな
あの日、俺が音楽室前で眠っちゃった時
あいつの優しい声色でめちゃめちゃ癒された
柄にもなく天使かなとか思った
落ち着いたやらかい声
もっと呼んで欲しいなとか、話したいなって思う素敵な声