爽やか王子の裏側は
「お前ら…図書室じゃなかったのかよ」
必死こいて探したことを隠すように平静と聞く
「最初は図書室にいたんだけどご飯食べるのに場所変えたから」
場所変えた…大翔もいなかったよな
あー…
「大翔も一緒か?」
「え、うん」
…
はああああああ
なんなんだよお前ら
2人で一緒に弁当食べてたわけ?
何その青春イベント
…
えっとさ
「確認なんだけどさ…お前大翔と付き合ってたりすんの?」
いや…な
おそらくないと思うけど
一応な?一応
「いやいや、付き合ってなんかないよ」
ホッ
…ん?いや
あ、うん
そうだよな
だよな
「長谷川くんがどうかしたんですか?」
「いや…多分なんでもない」
「ふふ」
?
俺の雑な返答に吹き出した西村
なんだ?
「いやふふっ本当に仲良いんだなって2人」
なんでだよ
今のどこにそんな要素あった?
「兄弟みたいだね」
兄弟?俺とあいつが?
なんか…懐かしいなそれ
中学の時もコーチとか先生によく言われてた
「勘弁してくれよ」
思い出して笑みが溢れる
「でもやっぱ似てるよ、笑い方とか」
笑い方?
今度は笑い方?
大翔の笑い方って…どんなんだっけ?
「優しい柔らかい笑い方」
俺に答えるようにそう言った