爽やか王子の裏側は






自分の顔の筋肉が緩むのがわかった


自然と頬が上がる


同じように目を細めて、眩しいものでも見るみたいに


今の俺の笑い方を言葉で表現するとしたら


『愛しい』っていうのかな


そう思うものに向ける笑み



西村の花みたいな笑い方を見てつくづく思う


西村は偶然俺の本性を見てしまった運の悪いやつだと思ってたけど


西村のピアノを聞いて、西村のこの笑い方を見るのは


俺だけでいい



この席は誰にも譲りたいないなって思う




変なの







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