爽やか王子の裏側は
え、なんでお前が
てか、こんなにピアノ弾けたの
そういやピアノ弾くために指がどーのって言ってたけど
なんか違和感を感じたのは西村じゃなかったからか
「何?西村華乃のピアノでも聞きに来た?」
「あ、うん。」
あ、めっちゃ素直に返事したな俺
「残念ながらさっき帰ったよ。今日は弟が遅くなるから妹の迎えに行くんだってさ」
え、妹?
妹もいんの?
弟だけだと思ってた
…てか、大翔は知ってたんだ
「さっきまでいたの?」
「うん、一曲弾いて帰った」
…
ちぇ
聞けなかったや
大翔のピアノ聞いてもなぁ(酷い)
「俺もそろそろ帰るけどさ、お前に言っておこうと思って」
ん?
「なんだよ」
大翔は席を立った
そしておもむろに俺を見た
やけに真剣な表情で
「俺、西村華乃が好きだわ」
…
「は?」
「恋愛感情で、昼休み自覚した。恋とか厄介だと思ったんだけどね」
…
「真一には関係ないかもしれないけど。一応言っておこうと思って」
…
「じゃーな。また明日」
通り過ぎざまにポンと肩に手を置いた
…
「待て」