爽やか王子の裏側は



「あんな嘘偽り王子やってるからだよ」


馬鹿にしたように小突かれた頭を撫でながら笑った長谷川くん


「大変だね園川くんも」


はぁ肝心なことが聞けなかった


ハチマキ事情泣


「…もしかして気になってる?真一のハチマキの行方」


ビクッ


思っていたことを読まれたみたいなタイミングに肩を揺らす



「…ま、普通に気なるよな。最近仲良いしね」



そりゃ…そうだけど



「もし、真一が誰かとハチマキ交換したらどう思う?」


え、どうって…


そんなの…


モヤァ


何かが胸の中を覆うみたいに分厚くなる



黙りこくる私をみてフッと息を吐いた



「面白くないなぁ」


長谷川くんがボソリと言った



え?


このセリフ、この前も聞いた気がする


何が面白くないんだろう




「でさ、さっきの続き。俺とハチマキ交換しようよ」


またぁ?


「だからからかわないでって」


「からかってなんかないよ?」





「俺、西村華乃のハチマキが欲しい」


「そ、それは…」


「考えといてね?当日までに」



え、え?




長谷川くんは相変わらず不思議な人だ



どこまでが本気でどこからがそうじゃないのか…



悩まされる



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