爽やか王子の裏側は
昼休み終盤
長谷川くんと別れて教室に向かう途中、ずっと頭を抱えていた
ちょっと頭の中が忙しい
結局長谷川くんにも園川くんのハチマキ事情を聞けず
『もし、真一が誰かとハチマキ交換したらどう思う?』
園川くんが誰かにハチマキを渡して
誰かのハチマキをつける
…そんなの嫌に決まってる
私は園川くんが好きなんだから
でも…
だから何
私は園川くんが好きで、だからハチマキを交換する人が気になって
でもきっとそんな人はいくらでもいる
園川くんはみんなの憧れの王子様なんだ
私は数多くいるガヤの1人
たまたま運良くお近づきになれたようなもの
午後の授業はなかなか身に入らなかった
永遠と頭に浮かぶしょうもない悩みを打ち消そうとする
はぁ…
ピアノだ
ピアノ弾こう
それでスッキリしよ