爽やか王子の裏側は
「西村さん」
職員室に向かう廊下を歩いていると
さっきと同じ人物のはずの声が全く別物のように聞こえる
「そ、園川くん…」
やっぱり…そうすか
先生に呼ばれたってのは嘘で私を叱るために来たって感じですか??
「あのさぁ俺が昨日言ったこと覚えてる?」
「お、覚えてます…」
お、恐ろしい、
いつもの爽やか笑顔が消え、光のない目と眉間に寄ったシワが嫌にも目に入る
「ベラベラ他の奴らに話すんじゃねぇよ」
さ、さーせん
言葉遣いがもはや別人
「次しゃべろうとしたらただじゃおかねぇからな」
恐ろしあ恐ろしあ
「は、はい。」
園川くんはなるべく小さな声でそういうとくるっと背を向け、スタスタと行ってしまった
…
どこのヤンキーだよぉ
私の好きなはずの人はもーちゃんとやばい人