爽やか王子の裏側は



私も…


「私もそうするから」


長谷川くんには悪いけど…やっぱりちゃんと好きな人に渡そう


でも告白みたいになるかな


いや、園川くんにハチマキを渡す女の子なんか絶対いっぱいいる


そのうちの一人になるだけだとは思うけど


渡そう


「園川くん?」


え、あ、名前覚えたんだ


「うん」


「そっか…だよね。うん、私春海くんに渡すよ」


日菜ちゃぁん


「失恋したら慰めてね」


私の予想なんだけど…あなた方、両思いなのでは?


「じゃあ成功したらお祝いしてあげる」


ふわっと花が咲くように笑った日菜ちゃん


あなた美人さんね



「なあなあ片瀬、西村」


え…


声をかけ慣れてない2人に後ろからクラスメイトに話しかけられるというビックイベント


しかも男子


「な、なにか」


話しかけてきたのは運動部で結構騒がしい2人組

スポーツ男子って感じの爽やかなお2人


「ハチマキ交換って約束してる?」


「もししてなかったら俺らと交換しない?」


えと…なぜに?


私に笑いかけるちょっと色黒の笑顔が太陽みたいなイケメンは宇野くん

日菜ちゃんに接近する髪の毛が少し茶色くて日本人離れした爽やかイケメンは鹿田くん


「えと…なんで私たち?」


日菜ちゃんもぽけっとしている


「普通に可愛いなって思っててさ、もしこの機会に仲良くなれたらーみたいな?」

「狙ってんだよこいつ」


宇野くんに突かれて鹿田くんは少し焦ったような顔をした


「どうかな、片瀬さん」

「俺は西村がいいなー」


え、えぇ…


どうやって断ればいいんだろう
(断る前提)



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