爽やか王子の裏側は
「真一〜何作ってんの?」
!
園川くんを呼ぶ声に思わずピクッと体が動いた
「んー無難にカップケーキ?楽だしね」
か、カップケーキだと!?
なんだその女子力は!!
女子か!女子なのか!?
「えー!すごぉい!園川くんすごい上手だねぇ!」
女の子たちの高い声に囲まれてアハハと笑う園川くん
見事な美しい笑顔
「園川くんクッキー好き?」
「普通に好きだよ」
「じゃあ私のクッキー食べて!」
「ありがとう」
「私のも私のも!」
気がついたら人だかりになっている園川班
すごいな…
ちなみに私たちの班は正直余った人たちを集めたようなものなので黙々と作業をしている
向かい側の男の子…えっと確か、横山くん
ん?
横山くんの手元にあるのは小さなショートケーキ
…え、めっちゃ綺麗
パティシエみたいにヘラで生クリームを塗りたくる
「すごい…」
「え?」
あ、思わず声に出ていたようで顔を上げた横山くんと目があった
「あ、ご、ごめん、えっと、すごいねそれ。」
「…別に…男のくせにこんなの作れても…」
いやいやいや!
「そんなことないよ!素直に上手だし、むしろ誇れることだし、ケーキが好きなのに男も女も関係ないよ」
それに私なんか女子力もクソもないカツ丼ですから
それに隣の日菜ちゃんは魚で牛丼作ってますから
「そ、そうかな」
えへへと照れように笑う横山くんはちょっと新鮮だった
私たち同様あまり自分を出さない横山くんの意外な特技