爽やか王子の裏側は
こっちも精一杯の威嚇を見せてカッコ悪くないように西村の前を去る
…まじか
あの西村に…こうも簡単に理解されるとは…
変な感じ…
などと頭の中はかなりの思考が飛び交ってたけど
足は旧校舎に向かうことを忘れてなかった
今日はいるかな
さっきまでの西村への感激を忘れて意識はすでにピアノの子の方へ向かう
旧校舎の音楽室につながる階段の下
やっぱり聞こえない
今日もいないのか
音楽室の前に立つ
中に誰かがいる気配はしない
一旦音楽室を離れ近くの階段上をのぞく
誰もいないよな
なんだったんだろう
あの数日間だけ現れたピアノの子は…
はっ
まさか幽霊…
…んなわけないよな
まあいいや、帰ろ
再び音楽室の前を通り階段を下りようと思ったその時だった
パコ
!!
今の…ピアノが開く音?
音楽室の扉に近づく
…誰かいる
何かが中で動いているのを確認した俺は意を決して扉に手をかけた