爽やか王子の裏側は
え、な、なんだ
なんかすごく恥ずかしくなってきた
視界の端に試着室のカーテンが映った
!
これだ!
思わずそのカーテンで身を隠そうとした
だがしかしっ
パシッ
「こら」
ぎくぅ
陽一さんに腕を掴まれる
「隠れないの」
「…恥ずかし…」
「可愛いんだから自信持って」
そ、そんなこと言われても…
思わず火照った頬をパタパタと仰ぐ
何やってんだか…
スーパーに来たはずなのに
「兄貴」
びく!
分かりやすく反応する私
私が逃げないように腕を掴んだままの陽一さん
そして、そんな私たちの前に立った園川くん
「可愛いっしょ。傑作」
う、うぅ…
慣れなさすぎるこの状況に頭を抱え込む
「……」
……?
あれ
なんの言葉も発さない園川くん
恐る恐る顔を上げると…
「!!」
何を考えているのかジッと…私を?おそらく私を凝視している園川くん
でも表情は特に何も感情が浮かんでない
「そ、園川くん?」
「…なに?」
なに?なにと来たか…
「いや、なにってのは…こっちのセリフなんだけど…この服は…えっと…」
「いいんじゃない?さっきのよりは」
さっきのよりは…
さっきのよりは?
「ほらね?可愛いって言ったでしょ?」
陽一さんが再び爽やかな笑顔を向けた
…可愛い
可愛い…か
言われ慣れない言葉に思わず顔が再び赤くなる
しかし…
ぐいっ
わっ!
陽一さんに掴まれてた腕から解放され、逆側の腕を園川くんに引っ張られた
「園川くん?」
「なに?」
いや、なにやのうて。
そんな私たちを見て陽一さんがニヤニヤしていたのを知らずに、、