爽やか王子の裏側は



うう冷たい


じょうろに水を入れて肩を震わす


よし、こんなもんかな


水を止めて振り返ると



「あわっ!」

バシャッ!

「おぉ」


すぐそばにいた白い何かにぶつかってしまった


うううう


つめたっ!!



どうやら水がかかったのは私のようです



「ごめん大丈夫?」


ちらけたジョウロを拾ってくれたのは


「あ、長谷川先生」


白衣を着た黒髪の若い先生、旧校舎を管理してる例の先生である


「ごめん、制服濡らした。おいで、乾かそう。」


私に手を差し伸べてくれる


「は、はい」



長谷川先生って結構独特な雰囲気をしてるんだよね。


常に眠そうでダルそうで、なんか一部の女子には人気があるんだけど


何考えてるかわからないから結構苦手なんだよな



「ここで待ってて」


生物準備室


あ、そういや生物の先生だった



それにしても寒い。


あ、シクラメンに水やらなきゃ


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