爽やか王子の裏側は



「なんていうかさ、好きだから頑張れるとか、一生懸命やればできるとかさ。頑張ってる自分が好きなだけでしょ?」


え、えっと


唐突のことで頭が追いつかない


「頑張ってる健気な自分に酔っててそれを他者に認められたいから、褒められたいから見世物としてやってるだけでしょ?」


……


「なんかそういうのってさ、シンプルにうざいよね」



な、な、


なんなんだこいつは!


シンプルにうざいのは君だよ!


思考が追いついてきたときには既に図書館の前にいた


呆然と立ち尽くす私を置いてスタコラと中に入っていく


こ、の、や、ろ、


なんなんだこいつ!!


なんかものすごく短時間でものすごく馬鹿にされた!


なんで!?


え?


なんでぇぇぇぇぇぇ!!?

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