年上同期の独占愛~ずっと側に
熱が高いせいか、体は怠いのに眠れない。頭がガンガンして横になっていると体がグルグル回転している気がして吐き気がする。

以前ならこんな時は亮がとなりで手を握ってくれていた。水分とれよ、と私の体を支えてとゼリーを口まで運んでくれた。トイレに行きたいときは、抱えて連れて行ってくれた。

とことん甘やかされていたんだな、とまた亮のことを思い出して、そんなに優しい亮が何故私を裏切り浮気したのだろう、私のわがままな性格や甘えっぱなしのところに嫌気がさしたのだろう、と涙を流しながら反省していると、いつの間にか眠ることができた。

しかし、1時間もたたないうちに目が覚め、そのたびに亮を思い出し、また眠り・・・と繰り返すうちに、やっと明け方になった。トイレに行くときに体が少し軽くなった気がして、熱を測ると37.9度だった。あとちょっとだ。土日眠っていれば、恐らく治るだろう。

そういえば、亮と付き合っている間、私が最後に熱を出したとき、前は一日中、夜中から朝まで熱が下がるまでずっとそばにいたのに、最後の時だけ、外せない仕事だ、といって日中は私の側にいなかった。その頃にはもう彼女と付き合っていたのだろう。

今更浮気の時期の答え合わせをしてもどうにもならないのに、そんなことばかり考えてしまい、具合悪いと負の感情ばかりが大きくなり、日曜日の夜には出社できるだけの体力はもどったものの、どうせ私なんて・・・とマイナスな気分にしかならなかった。

林君だったらどうだろう。林君は出会ったころから私にはとてもやさしかった。今日みたいに熱が高い時、側にいてほしい、といえば、恐らくずっと側にいてくれるだろう。

そう思うと林君に甘えたくなった。しかし、林君ほど誠実な人でさえ、私がかかわるとトラブルになる。すべて私のせいなのか、とまた泣きたくなってきた。

こんなににも気持ちがマイナスになるのは熱のせいなのか、私の元々の性格もあるのだろうが、ここは気持ちを切り替えて、いつも助けてもらっている原さんのお役に立てるように、しっかりと仕事で返したい。

< 101 / 228 >

この作品をシェア

pagetop