年上同期の独占愛~ずっと側に
「ごめんなさい。飲みやすかったら、つい。」

「こっちこそごめん。そんなに強いお酒じゃないから大丈夫だと思ったけど、萌々ちゃんにはキツかったね。」

「ごめんなさい・・・」

「謝らなくていいから。もう寝よう。寝たら少し楽になると思うから。」

部屋に戻るとぴったりくっついて敷かれているお布団に気まずくなる余裕もなく倒れこむ。確かに横になると頭痛は和らいだ気がするが、吐き気がひどくなった気がする。もしかしたら吐いちゃうかも・・と思ったら情けなくて涙が出てきた。

好きな人と初お泊りで吐く女ってどんだけ最低なんだろう。これで嫌われたって文句は言えない。

林君が私のおでこに濡らしたタオルを当ててくれる。ひんやりして気持ちいい。少し吐き気がおさまった感じがする。林君が私の顔を覗き込み、涙目の私を見て、急に慌てた様子でオロオロしはじめた。

「萌々ちゃん、つらい?気持ち悪い??吐きそうだったら言って。あ、っていうか吐いてもいいようにここにビニールか・・洗面器あったかな。ちょっと持ってくる」

林君が早口で言って立ち上がろうとしたので、私は林君の服の裾を引っ張る。

「大丈夫。吐くときはトイレ行けるから。こんなことになってごめんなさい。」

「何で謝るの?さっきも言ったでしょ。悪いのは俺だって。」

「だって、林君と初めて一緒に・・・・」

そこまで言うと、林君も私の隣に横たわって後ろからふんわりと抱きしめてくれる。

「みっともないところ見せてごめんなさい。」

「全然みっともなくなんかないよ。萌々ちゃんお酒弱いから同期会でもほとんど飲まないでしょ?今日はめずらしく飲むって言うから俺舞い上がっちゃって。お酒飲んでる萌々ちゃんは同期の中では俺しか見たことないんだろうなーなんて思ったらうれしくなっちゃってさ。

少し飲んでほんのり顔が赤くなって、いつもより笑顔がふにゃっとしててさ。可愛くて・・こんなレアな萌々ちゃんがもっと見たくて俺が調子にのって飲ませたんだ。ごめんな。」

私の体を回転させて私の顔を自分の胸に押し当てながら、少し力を込めた。

「吐きたかったら我慢しないで言って。眠れそうだったらこのまま寝ていいから。」

「うん。ありがとう。」

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