年上同期の独占愛~ずっと側に
既に眠くなってきた私は、ウトウトしながら林君の言葉を聞いていた。もう一度温泉入りたかったな・・明日の朝入れるかな。と考えてながら意識が途絶えた。

何となく頭がズキズキするなーと思いながら寝返りを打つと、大きい塊にぶつかった。少し上体を起こしてみると、頭がズキッとしてイタっと声が出てしまう。よく見ると林君が浴衣に着替えてスースー寝ている。自分の格好を見てみると洋服を着たままだ。

そうか、お酒飲んで体調悪くて寝ちゃったんだ。
時計を見ると夜中の1時を過ぎたところだ。起きだして冷蔵庫の中から水を取り出して半分飲むと、かなり頭がすっきりしてくる。

温泉何時まで入れるのかな・・と案内を見ると夜中の間はずっと入れるらしい。ちょっと行ってこようか・・林君目が覚めて私がいなかったら心配するかな・・・と、メモを残し支度して温泉に向かう。

夜中なのに、何人か先客がいるが、空いていてとても快適だ。今は真っ暗で何も見えないが、海の音が聞こえる。朝食の前くらいにもう一度入りたいなー。と思いながら少々長風呂になってしまう。

結局部屋に戻ったのは1時間近くたってからだったが、林君は起きた様子もなく、よく寝ている。私ももう一度寝ようと横になろうとするが、林君が2組のお布団のど真ん中に寝ていて、どちら側に寝ても林君と結構密着してしまう。仕方ないので林君の背中側に背を向けてそっとお布団の中に入ると、後ろからガバっと抱きしめられる。

「キャッ。びっくりした!」

まさか起きていると思わず、かなり驚き結構大きな声で叫んでしまった。それを見て林君が耳元でクスクス笑っている。

「温泉行ってきたの?体調大丈夫?」

「うん。もう大丈夫。温泉入ってスッキリした。さっきは本当にごめんね。」

「だから謝らないで。もっと甘えてくれてよかったのに。」

「十分甘えちゃったよ。ありがとね。」

林君は後ろから抱きしめる腕に力を込めながら、後頭部にチュっとキスしてくる。
すると、クルっと私の体を回転させて、正面から私を抱きしめてくる。
頭を胸に抱えられ、今度はおでこにキスされる。

「萌々ちゃん、眠くない?」

そう言いながらチュッと唇に触れるだけのキスをしてくる。私は林君の体に手を回しながら首元に顔をうずめる。恥ずかして顔を見ていられない。

「眠くない。」

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