年上同期の独占愛~ずっと側に
夜寝る前に、亜都子にメッセージを送る。林君と付き合うことになったこと、一泊で温泉旅行に行ったこと、また会ったときに話そうね。と簡単に送ると、すぐに着信があった。

「萌々香?」

「亜都子・・・ごめん。最初から私が電話すればよかったね。」

「林君、よかったね。やっとかー、って気もするけど。」

「うん。ありがとう。」

色々あったこと、まだ亜都子には話せていない。だけど、今が良ければ過去に何があっても大丈夫だと思う。今度会ったときに愚痴の一つとして聞いてもらえばそれでいい。

「亜都子、今度東京にはいつ頃くる?」

「今月と来月はないと思う。年末になるかなー。早めにお休み取って東京帰るよ。」

「そっかー。だいぶ先だね。でも年末ね。楽しみにしてる。またね。」

それから2か月、林君との交際は順調だった。平日も仕事終わりの時間が合えば、食事を一緒にするし、毎週末は必ずデートしていた。ハロウィンも終わりすっかり冬も深まり、街にクリスマスのイルミネーションが目立ち始め、今年は林君と過ごす初めてのクリスマスだし、何かプレゼントを用意しよう、考えていた。
しかし・・・その頃から林君の様子が少し変だった。仕事もかなり忙しいみたいだが、何となく元気がない。一緒にいても考え事をしていて話を聞いてないことも何度もあった。

「何か悩み事?」

「いや。ちょっと仕事でうまくいかないことがあって。ごめんね。上の空だったよね。」

「ううん。疲れてようだったら、今日はもう帰ろう。」

「うん。ごめん。
萌々ちゃん、クリスマスなんだけど、一緒にいられる?」

「うん。もちろんだよ。」

「じゃあ、どこか予約しておくね。」

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