年上同期の独占愛~ずっと側に
「私が御馳走するって言ってたのに、スミマセン・・・」

何やってるんだろう。全然体が動かない。

「だいぶ疲れてるね。あまり無理すると前みたいに熱出すよ。」

そう言われて思いだす。まだ林君と付き合う前、亮と別れて時間がたち、寂しさに押しつぶされそうな時だった。あの時はいつも以上に高い熱に相当参っていたのもありこの世の終わりのようにつらかった。

「そんなこと、ありましたね。あれ結構つらかったんで、気を付けます。」

「うん。開発部門のパーツは相談乗れるから、何かあったらすぐ言って。」

「はい、ありがとうございます。」

「今日くらい残業しないで早くあがらない?一緒にメシ行こうよ。」

橋本さんが誘ってくるなんてめずらしい・・・何か用事があるのだろうか。

「でも今日はたぶん終わらないです。午後ぶっ通しで会議なので、そのあと作業しないと・・。」

「そっか。あまり無理しないで。また今度ね。」

そうは言っても疲れすぎて集中力が続かない。20時過ぎたばかりだが、今日はもう帰ろう。

帰る前、化粧室に寄った後、林君に電話してみるが、呼び出し音が数回なった後留守電になってしまった。まだ仕事中かな。少しだけでも会いたかったが仕方がない。重い体を引きずりながら帰宅した。

翌日のお昼、社食で原さんと一緒にお昼を取っていると、橋本さんと山元さんが、お疲れ様です、といって横に座った。それと同時に原さんが、ちょっと仕上げたい資料あるから先行くね、と席を立ったので、3人で食べた。
私はほとんど食べ終わっていたが、成り行きでそのまま席に居座り、3人で仕事の話をする。開発部門は既に仕上がった商品だが、バグが出れば対応をしなければならず、最近人が減ったせいで忙しいらしい。思いもよらないところでバグが頻発して、山元さんは根をあげそうだ、と珍しく愚痴っていた。

「それにしても、統括さんは大変ですよね。今はもう次年度の計画出してるんですよね。年度内の処理だけだって儘ならないのに。」

「緒方マネージャーが他社のプロジェクト経験者なので、ノウハウがあるんです。色々教えていただいてます。」

「さすがですねー、緒方さん。プロジェクトメンバの中で断トツですよね。」

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