年上同期の独占愛~ずっと側に
「萌々ちゃん、急にごめん。どうしても会いたくて」

「ここだと話しづらいから、少し出よう。」

「俺、車できたから。あっちのパーキングにとめてある。話しできるところまで行こうか」

支度してくるから、と少しだけ待ってもらい、母にお昼はいらない、と声をかけた公園まで戻る。林君はすでに車を出してきてくれいて、すぐに乗るように言われた。この助手席も、もしかしたら立花さんが乗っているのだろうか。そう思うと嫌気がさしたが、今は仕方がない。

「この車って林君の?」

「イヤ、親父のだけど。なんで?」

「ううん。別に」

お父さんのか・・・少しほっとしたが、お父さんのだろうが、私が乗っているということは立花さんも乗っているかもしれないから、ホッとするのもおかしいか。

落ち着いて話ができるところってどこなのかわからないが、ちょうどお昼だし、食べながら話そう、ということになり、ファミレスに入る。
それぞれ注文を終えるとすぐに林君がしゃべりだそうとする。

「萌々ちゃん、あのね・・・」

「林君、もう会うのやめよう。」

「・・・嫌だ。」

「私も嫌だ。もう疑ったり、会えなくて寂しい思いするの嫌なの。別れたい。」

「ちゃんと話すから。まずこの前の電話だけど・・」

林君が話始めようとするのを無理やり遮り、私から聞いた。

「じゃあ、私から聞くけど、クリスマスの日、あの日泊まる予定だったのにドタキャンしたでしょ?あれは本当に仕事だったの?大阪出張行ったの?」

「うん。年末までずっと大阪だったよ。」

「あの日、品川駅まで見送りに行ったとき、林君とは会えなかったけど、立花さんと会ったの。」

「え・・・」

「立花さんと一緒にいたの?」

「違うんだ。あれは・・」

「本当はこんな話したくなかった。嘘つかれてたのがわかるなんて、つらすぎて聞きたくなかったの。だけどしつこく連絡くれたのは林君でしょ?ちゃんと話するなら嘘つかないでちゃんと話して。」

「ごめん・・・
クリスマスイブの日は・・・萌々ちゃんと一緒に過ごすつもりでレストランとホテル予約して・・だからそのことを家にも今日は帰らないって言ってあったんだ。急な大阪出張が入っちゃったけど、朝までは萌々ちゃんと一緒に過ごせるし、朝一で大阪行けばいいかな、って思ってたんだ。
・・・だけど夕方に母親から電話かかってきて、立花さんが家に来てるから、早く帰ってこいって言われて。」

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