年上同期の独占愛~ずっと側に
・・・結婚の話も出ていたくらいだ。実家に出入りしてご両親とだって顔見知りだろう。

「もう別れてることを親だって知ってるから、だから追い返してくれって言ったんだ。だけど・・・彼女、立花さん、妊娠してるって言ってるって親が言ってて・・。」

!妊娠?・・・そんなわけ・・・だって、林君が東京に戻ってきたタイミングで立花さんとは別れたはずだ。もう半年以上だっている。・・・もしかして、別れてなかったのか・・。

「そんな訳、ないんだ。妊娠なんて・・・だけど親も困ってて、あの日は帰るしかなかったんだ。

あの日、結局話してたら遅くなってしまって、遅くに立花さんを家に帰すのもちょっと、ってことになって、客間に泊まってもらったんだ。俺は次の日から大阪だったから、新幹線に乗る前に家まで送ろうと思ったんだけど、逆に品川まで送るって押し切られて一緒に駅まで行ったんだ。萌々ちゃんが立花さんと会ったのは俺が新幹線にのった後、なんだと思う。」

品川で立花さんを見かけた理由はわかった。それはわかったけど・・・妊娠ってなんだ。

「・・・それで?この前、アヤのところに泊まったの?」

「・・・・・」

「何なの?結局、立花さんと付き合ってるの?アヤは立花さんのことでしょ?妊娠ってなに?林君との子なの?」

「そんなわけ、ない。だけど立花さんは妊娠してるって言い張ってて、一緒に病院行こうって言っても一緒は嫌だって言い張られて。」

「別れたのは半年以上前でしょ?もう随分立つじゃない。何で今頃?」

「・・・・・」

「違うの?半年前じゃないの?もっと最近?二股かけてたの?」

「ちがうっ!二股なんかじゃない。ちゃんと別れてる。別れてるけど、納得してくれなくて・・。最後に一度だけって言われて。だけど、ちゃんと避妊したし、妊娠なんてするわけないんだ。」

何言ってるんだ、コイツは。避妊したから?・・・そこじゃないだろ、と呆れて言葉がでない。

「いつ?」

「え?」

「避妊して、立花さんとしたのはいつなの?」

「・・・・・」

「私と付き合った後?」

「・・・・・ごめん。」

はあー。最悪だ。だから聞きたくなかったんだ。聞かないまま別れればよかった。最低だ。立花さんが本当に妊娠してたとして、立花さんはつらくないのだろうか。林君がこんな不誠実な対応をするとは思わなかった。

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