年上同期の独占愛~ずっと側に
「何で黙るの?」

「・・・・・」

「お父さんと来てるから、今はもうこれ以上話せない。明日話に来て」

「・・・うん」

「・・・・・」

もう嫌だ。夜中に玄関先で亮のこと問い詰めるなんて・・・。
いつもの優しさで包み込んでくれる亮を感じたいのに。本当は、無事でよかったって、抱きつきたいのに。
今まで感じていた違和感を気付かないふりをしていたツケがまわったのか・・・こんなことになるならちゃんと話をしておくべきだった。

正直、今日のうちに亮からもっと話を聞きたかったが、あまり父を待たせるわけにもいかず、亮に背をむけて玄関を飛び出す。亮が後ろからついてきたが、は帰るしかない。運転席にいる父に近づき、すみませんでした、と亮が父に言っている声が聞こえる。父が「事故とかじゃなくてよかった」と返事をし、車を出す。

「寝てたんだろ?」

走り出して少しすると父が聞いてきた。

「そんなわけない。服着てたし」

「じゃあ、何だっていうんだ」

わからない・・・。でも、亮は確実に私に嘘をついている。亮の様子からして女絡みだろう。
あの動揺した様子ではもう間違いないだろう。急なことでうまい嘘も思いつかない様子だった。だからなおさら今日のうちに話をしたかったのだが、父の手前仕方がない。明日話をする約束をしたが、そのころには上手い言い訳を考えているだろう。

土日はおろか、少しの時間でも私と一緒に居たがった亮が、最近は休日の予定を聞いてくることがなくなっていた。私から言えばもちろん最優先で一緒にいてくれた。
ここ最近感じていた違和感が、現実味を帯びてきただけだ。
結婚を控えている。両親たちにも迷惑がかかるだろう。曖昧にするわけにはいかない。

「夜中に大騒ぎしてごめん。一緒に来てくれてありがとう」

「うん」

女性関係だとは思うものの、行動が解せな過ぎて亮とどうやって話をすればいいのかわからない。

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