年上同期の独占愛～ずっと側に

弘美は私が亮と林君のことを引きずっていることに気づいている。未練とかまだ好きとかそうことではなく、傷つけられた相手を忘れられずに苦しんでいるのが見ていてわかるのだろう。
もしも、林君と順調に付き合っていたら、亮の結婚話を聞いてもこんなに心が乱れることはなかったのだろうか。しかし、もしも、はもう無い。一人で乗り越えるしかない。
弘美の言葉もとても嬉しいし、亮の結婚の話を内緒にされるより弘美から聞けて良かった。しかし、傷が癒えるのはまだ少し時間がかかる気がした。

弘美と別れ際、弘美が飲みたくなったらいつでも呼び出してね、と念を押し、別れる。弘美は食事の間中、私の誕生日のお祝いだということもあり、ずっと笑顔だったが、確実に無理していた。あんなに順調な交際をしていたのに、分からないもんだな、とこっちまで悲しくなってくる。