年上同期の独占愛~ずっと側に
前を向こう
翌週月曜日から、現場ヒアリングがされることになっていた。プロジェクトの進捗を確認するとともに、各部門の課題や問題点を把握し体制変更の可否などを判断しなくてはならない。7月の定期人事までには必須だ。各部門のリーダたちに時間を取ってもらっているのだが、忙しい中時間を取ってもらっているため、時間厳守で進めなくてはならない。

初日の月曜日は原さんと一緒に行くことになり、一度出社したがそのまま二人ですぐに外出する。結局丸一日かかり現場を出たのが17時近かった。そこから会社にもどり議事録の作成をすると、22時近くになってしまった。そのため、明日は現場に直出しようと原さんと決めて退社する。

そんな日が1週間続き、ヒアリング最終日の金曜日、開発部門のヒアリングのため、橋本さんと一緒に行くことになっていた。
開発部門のみのヒアリングだったため、お昼前には終了し、お昼をどこかで食べてから会社に戻ろうか、ということになり、橋本さんと会社とは反対側のほうへ向かった。

「飲みに行こうって約束覚えてる?全然お誘いがかからないんだけど?」

そうだ。飲みにつれてってって言われていたのを思い出した。今週は忙しすぎてそんな暇がなかったのもあり、お誘いができなかった。

「もちろん、覚えてますよ。行きましょうね、私はいつでもいいですよ。
あ、私がよく行くBar、お昼ランチも始めたみたいなんですけど、これからそこ行きますか?」

「いいね、行こう。」

Barに入ると、マスターとすぐ目が合い、カウンターの席をどうぞ、と目で合図される。
席に座ると、優雅なしぐさでお水を出してくれる。

「お昼、初めてだね。」

「はい。午前中外出だったので来てみました。同じ職場の橋本さんです。」

橋本さんを紹介すると、マスターは橋本さんに向かって、萌々ちゃんにはいつもごひいきにしてもらってます、と声をかけていた。

2人でパスタを注文すると、意外にもかなり美味しい。美味しいです、とマスターに声をかけると、ニコっと笑って頷いてくれた。

「すごい色気のあるマスターだね。」

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