年上同期の独占愛~ずっと側に
指でつまんで橋本さんの口元に近づけると、少しびっくりした様子だったが、顔を近づけて食べようとする。しかし口に入る直前に落としそうになったので、とっさに私はオレンジの端を橋本さんの口に押し込むように持っていくのと同時に橋本さんは私の手首をつかんでオレンジをパクリと口に入れた。
「よかった。落っことすかと思いました。すみません。ワイシャツ汚すところでした。」
謝りながら指先についたオレンジをペロっと舐めてお絞りでふき取ると、橋本さんが困ったような顔で私を見た。
「今まで一人で飲んでて声かけられたりしなかった?」
「ここではないですね。あまり長居しませんしね。」
「他のお店ではあるの?」
「まあ。でも大丈夫ですよ。そのお店にはもう一人では行ってませんし」
「できるだけ一人で飲むのはやめたほうがいいと思うよ。」
「それ、後輩にも言われました。酔わないようにはしてるんですけどね。」
「飲みたいときは俺か小野誘って。」
「小野君?何で小野君?」
「できるだけ俺にして。俺を誘って。」
「この前後輩にも心配かけちゃったし、一人で飲むのももう控えようかなと思ってたんです。だから大丈夫ですよ。」
弘美に口うるさく言われていた時は聞き流してしまったが、弘美が飲んでいる姿を見てとても心配だった。同じように弘美に心配かけるのはもうやめようと思う。そして神田先輩とも・・。誕生日の日、普段からあまり深く関わってこない神田先輩との居心地の良さに付け込んで、体を重ねてしまったことはちゃんと反省している。
そこまで考えて、だから小野君なのかな?と思いついた。小野君となら間違いを起こさないだろう、と橋本さんも感じているのだろうか。
「野崎さん、あまり自覚ないみたいだけど、やっぱりそれなりに酔ってるし、隙だらけになっちゃってる。さっきのだって、俺ですら勘違いしそうになったから気を付けて。」
「さっきの?」
「いや、いいんだ。こっちの話。
林とはもう会ってないの?」
唐突に聞かれた林君の話題に、一瞬頭が真っ白になる。しかし、橋本さんには林君とのツーショットも立花さんと話しているところを見られているし、林君とギクシャクしているところも見られていた。付き合っていたことなんてもうバレているのだろう。
「もう会ってないです・・・。」
「よかった。落っことすかと思いました。すみません。ワイシャツ汚すところでした。」
謝りながら指先についたオレンジをペロっと舐めてお絞りでふき取ると、橋本さんが困ったような顔で私を見た。
「今まで一人で飲んでて声かけられたりしなかった?」
「ここではないですね。あまり長居しませんしね。」
「他のお店ではあるの?」
「まあ。でも大丈夫ですよ。そのお店にはもう一人では行ってませんし」
「できるだけ一人で飲むのはやめたほうがいいと思うよ。」
「それ、後輩にも言われました。酔わないようにはしてるんですけどね。」
「飲みたいときは俺か小野誘って。」
「小野君?何で小野君?」
「できるだけ俺にして。俺を誘って。」
「この前後輩にも心配かけちゃったし、一人で飲むのももう控えようかなと思ってたんです。だから大丈夫ですよ。」
弘美に口うるさく言われていた時は聞き流してしまったが、弘美が飲んでいる姿を見てとても心配だった。同じように弘美に心配かけるのはもうやめようと思う。そして神田先輩とも・・。誕生日の日、普段からあまり深く関わってこない神田先輩との居心地の良さに付け込んで、体を重ねてしまったことはちゃんと反省している。
そこまで考えて、だから小野君なのかな?と思いついた。小野君となら間違いを起こさないだろう、と橋本さんも感じているのだろうか。
「野崎さん、あまり自覚ないみたいだけど、やっぱりそれなりに酔ってるし、隙だらけになっちゃってる。さっきのだって、俺ですら勘違いしそうになったから気を付けて。」
「さっきの?」
「いや、いいんだ。こっちの話。
林とはもう会ってないの?」
唐突に聞かれた林君の話題に、一瞬頭が真っ白になる。しかし、橋本さんには林君とのツーショットも立花さんと話しているところを見られているし、林君とギクシャクしているところも見られていた。付き合っていたことなんてもうバレているのだろう。
「もう会ってないです・・・。」