年上同期の独占愛~ずっと側に
どうしたもんか・・・今日一日で熱が下がるとは考えにくい。夜に帰ってもし何かあったら、と思うと心配で離れられない。
今のうちに一回家に帰って、着替えを持ってくるか。月曜日は最悪ここから会社に行けばいい。

「神田さん、一回家に帰ってきますから、寝ててください。何かあったらすぐ電話してくださいよ。2時間くらいで戻りますから、鍵借りますね。」

ん、と返事はあるが、意識があるのかどうかわからないため、テーブルの上にメモを置き、一度神田先輩の家を出る。
自宅に帰ると、母がもうすぐご飯できるよ、というので、実は友達が熱をだし、今夜は側にいる、というと、食べれるかどうかわからないけど、と私の分の夕食を詰めてくれた。
少し時間がかかってしまったが、神田先輩の家を出てから2時間ちょっとで戻ることができた。

寝室を除くと、背を向けて寝ているが、胸の上下が激しいのでまだ熱が高いのだろう。近づきわきの下に体温計を入れると38.2度だ。解熱剤を飲んでも38度台だとつらいだろう。戻ってきてよかった。

おかゆでも作ろうか、と思ったが、食べれないだろうな・・・と思いながらも一応作る。もし食べられなくても私が食べればいいか。
しかし、冷蔵庫の中に何もないので、本当におかゆしか作れない。明日の昼間、少し買い物してこよう。

キッチンでガサゴソしていると、神田先輩が起きだしてきた。壁に手をつきながらフラフラしている。そのままソファに座ろうとしたので、行きたくないかもしれないけどトイレに行ってください、と言うと素直にトイレに向かう。

戻った先輩をソファに座らせると、スポーツドリンクを手渡し、体温計をわきの下にいれる。体が熱いな・・。体温計を見つめてると、一瞬で39度まであがる。どこまで上がっちゃうんだろう、とドキドキしてると、39.8度でピピっと鳴った。

まずいな・・・。このまま夜に熱があがるようなら、今のうちに病院に行ったほうがいいのだが、それを言っても先輩は返事をしない。風邪ではなく、どこか悪いんじゃないかと思うとこっちまで心臓がドキドキしてくる。

「神田さん、あと2~3時間しないと解熱剤を飲めないので、少しつらいと思いますが、眠れそうですか?」

「・・・」

「病院に行きたいんですけど。」

「行かない。」

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