年上同期の独占愛~ずっと側に
「・・・じゃあ、40度越えたら、嫌でも行きますよ。保険証のありかだけ教えておいてください。」

「財布に入ってる。カバンの中。」

「わかりました。スポーツドリンクだけでも飲んでください。寝室行きますよ。」

「お前、何でスーツ?着替えたの?」

「月曜日ここから出勤します。今日明日はいますから。」

「悪いな。・・・クローゼットにスウェット入ってるから、適当に着て。」

「大丈夫ですよ。持ってきました。」

「ん?」

そうか、一度帰ったことを知らないのだ。しかしもう寝かせたほうがいいので、会話を打ち切り寝室に寝かせる。
以前病院の先生にどうしてもつらければ4時間空ければ解熱剤を飲んでもよい、と言われたことがあるが、やはり最低でも6時間は空けたほうがいいだろう。息が荒いし、すぐに薄目を開けるので熟睡できていないのは明らかだ。

紅茶を入れてソファに座ると、眠気が襲ってくる。しかし、あと2時間後には薬を飲ませたいので寝るわけにはいかない。まだ19時を過ぎたところだし、お腹も少し空いてきたので家から持ってきた夕食を食べよう。明日の分は昼間買い物行けるだろうか・・・

一人だとあっという間に食べ終わってしまう。お母さんが結構多めに詰めてくれたため、かなり余ってしまう。冷蔵庫に入れてチンすれば明日の朝食べられるだろう。それからはテレビを見たり小説を読んだりしながら30分おきに先輩の様子を見に行くが、相変わらずのようだ。ただ起きては来ないので、3時間ほどたったところで、熱を測ってみる。38.9度だ。

「何度?」

「38.9度です。眠れないですか?」

「横になってても目がグルグル回る。気持ち悪い。」

「ですよね。熱なんて何年もだしてないなら、そうなりますよね。
薬飲みましょう。少しでいいのでゼリー食べてください。後、できれば着替えてほしいです。結構汗かいてます。」

適当にみつくろったスウェットの上下とTシャツと下着を出す。本当は体を熱いタオルで拭いてあげたかったが、怠くてそれどころじゃないだろう。
パジャマに手をかけると、大人しく万歳をしたのでTシャツとスウェットを着せる。

「下は自分で着替えてくださいね。洗濯しちゃいますから、着替えたらがんばってこっち来てください。」

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