年上同期の独占愛~ずっと側に
少しでも恩返しができるなら、熱の時くらい、いくらでもお世話しようと思っている。
しかし、高すぎる熱に不安でしょうがない。せめて後半日程度で38度台には下がってほしいところだ。

夜中の12時ころまで部屋を片付けたり洗濯ものを干したりしながら30分おきに寝室を除いていたが、ぐっすり眠っていた。
クローゼットからタオルケットを勝手に引っ張りだし、ソファに横になって少し寝る。

物音がして目が覚めると、先輩が冷蔵庫を開けていた。

「どうしました?」

「悪い、起こしたな。水、たくさん買ってきてくれたんだな、ありがとう。」

「水じゃなくて、できればスポーツドリンク飲んでほしいです。」

そう言うと、素直にスポーツドリンクを冷蔵庫から出し、ゴクゴクと飲む。

「熱測りましょうね」

「もう測った。38度ちょうどだった。」

「少し体が楽になったからって油断しないでくださいね。38度は十分高熱です。それ飲んだらベッドに戻ってください。」

「お前をソファで寝かせるとか・・・俺最悪だな。」

「ははっ。何言ってるんですか。熱あるんだから当たり前です。頼ってくれて嬉しかったですよ。」

看病してくれる恋人はいないのだろうか・・・と思ったところで、恐らく今はいないのだろう、と思う。部屋に女っけが全くないし、第一あの日、いくら私が縋ったとはいえ恋人がいるのに他の女を抱くような人ではないはずだ。

「今日は本当に悪かったな。来てくれて助かったよ。明日は、もう今日か・・・もう大丈夫だから。」

「それは明日判断しますから。もうそろそろ寝てください。」

「おう。」

今は2時を過ぎたところだから、4時間以上は眠れていたということか。このまま熱が下がれば、先輩の言うように明日は家に帰ろうと思うが、恐らく平熱までは戻らないだろう。咳は出てないようだが、喉が痛いのか、かなり喋りづらそうだった。

次に目が覚めたのは朝の6時半だった。しまった、ぐっすり眠ってしまった・・・。慌てて寝室まで神田さんの様子を見に行くが、すやすやと寝ている。気持ちよさそうに寝ているのでもしかしたら熱もだいぶ下がったのかもしれない。

起こさないように脇に体温計を入れると、38.2度だった・・・もっと下がっていると思っていたのに・・・
病院に連れて行きたいが、生憎今日は日曜日だ。
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