年上同期の独占愛~ずっと側に
そんなことを言いながら、これは?あれは?と色々選んでくれる。しかし、ほんのちょっと買い物に付き合ったくらいで、貰うわけにはいかない。第一本当だったら山元さんと一緒にくるはずだったのだろう。

「本当に、お気遣いなく。そしたら、一緒に髪の毛結ぶやつを選んでもらっていいですか?」

ようやくネックレス売り場から離れてくれて、一緒に選ぶ。私がベージュと紺色のどちらかで悩んでいると、両方買えば、と言われ、それほど高価なものでもないため二つ購入することにする。レジに行くと、貸して、と言われて結局橋本さんがお会計をしてしまった。

「ありがとうございます。」

「ん。次は本屋だっけ」

このまま本屋さんに行ったら、また買ってあげる、とか言われたら困るので、今度でいい、というと、せっかくだから行こうとさっさと歩き出してしまった。

欲しかった小説を選び終わり、他にも面白そうなのがたくさんあり、あれこれ見ていると、ちょっと奥見てるね、と橋本さんが少し離れたため、今のうちに、とお会計をしてしまう。橋本さんが読みたがっていた本も一緒に買い、もう一度中にもどり、ぷらぷらと見ながら橋本さんの背中に近づいた。

「いいのありましたか?」

「うん。でも今日はいいや。野崎さんは?」

「もう買いました。」

早いね、と少し驚いたように言い、そろそろお腹空いたね、と本屋を出て食事をすることにした。

予告どおり、有名なホテルの最上階にあるお店に連れて行ってくれた。照明が暗めの店内のため、海沿いの夜景がとてもきれいに見える。窓際の席を予約しておいてくれたらしく、すんなり席に案内してもらう。

「こんな素敵なところ、何だか申し訳ないです。」

「ここ、山元さんに教えてもらったんだ。予約してくれたのも山元さん。」

「え?山元さん、今日私と出かけること知ってるんですか?」

「うん、話したけど・・まずかった?」

「いえ、私はいいんですけど、橋本さんは大丈夫なんですか?」

「俺?全然大丈夫。」

山元さんに話してると聞いて少し驚いたが、考えていれば信頼しあってるからこそ私と出かけることを話せるのだろう。それにしてもこんな素敵なお店を予約してくれるなんて山元さんも人が良いというかなんというか・・・山元さんこそ、ここに橋本さんと来たかっただろうに、なんだか申し訳なくなってくる。

「お酒飲む?」

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