年上同期の独占愛~ずっと側に
大騒ぎして亮と別れ、林君のことをさんざん迷って慎重になってやっとのことで付き合ったのに、3か月と続かなかった。挙句の果てには自棄になったり、自分で自分の行いを振り返っても最悪だ。
私もいつか、亜都子みたいになれるかな・・・

そんなことを考えていたら、どうやら眠ってしまっていたらしい。目が覚めると30分程度だっていた。誰かが背中にブランケットをかけてくれたらしく、身体を起こすと下にずり落ちてしまう。拾おうとしてスチールから降りて立つと、亜都子と橋本さんが、楽しそうに話しながら飲んでいた。

「そんなことだろうと思いましたけど。萌々香、誤解してますよ。」

「誤解されるようなこと、してないんだけどなあ。」

「まあ、結構思い込みが激しいからね。そのわりに慎重というか、鈍感というか・・」

「だよな。俺、結構わかりやすいと思うんだけどな。原さんとかにはいつも言われてるし」

何の話だろう。原さんがどうしてでてきたんだ?起き上がりながら声をかけてみる。

「原さんがどうしたの?」

「あー、萌々香起きた?大丈夫?気分悪くない?」

「うん。ちょっとぼーっとしてるけど、大丈夫。」

なんで寝ちゃったんだろう。ごめんね、って言うと、二人は全然いいよ、二人で話できたし、と笑っていたが、私はせっかくの三人の時間を無駄にしてしまい残念に思った。

「そろそろ行こうか、萌々香もう限界だろうし」

お会計を済ますと、入り口を出たところで亜都子が立ち止まり、私たちを振り返った。

「じゃあ、私はここで。宿泊してるホテルすぐそこだから。」

すると、橋本さんが、亜都子をホテルまで送ってくるから、私にここで待っていてくれと言ってきた。亜都子を一人で心配なので橋本さんにお任せしたいが、私は駅まで行ってしまえばあとは電車に乗るだけだ。

「亜都子のホテル駅の手前だよね?私もどっちみち駅まで行くし一緒に出るよ。」

「じゃあ、ホテルのエントランスにタクシー泊まってると思うから、とりあえず行こうか」

5分ほどでホテルに着き、亜都子とまた近々会おうね、と約束する。亜都子が手でおいでおいでをするので亜都子の側に行くと耳打ちしてきた。

「何かあったらすぐ言ってね。不安だったり迷ったりしたら、私に相談して。一人で悩まないで。」

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