年上同期の独占愛~ずっと側に
いつも助けてくれる亜都子だから、今までだって散々愚痴を聞いてもらって相談にのってもらっているのに、改めてそう言ってくれる亜都子は本当に優しい。ここ最近時にグズグズの性格の私を見捨てずにいてくれるんだと、安心する。

「亜都子こそ、仕事がんばりすぎないでね。体に気を付けて、尾崎さんによろしくね。」

亜都子がホテルに入っていくとホテルに入っていくと、橋本さんが私に向き直って手を出してきた。

「行こうか。」

「はい」

頷きながら返事して差し出された手を無視して歩き出すと、手首を掴まれた。

「今日は気分も悪くないし、酔ってもないので大丈夫です。」

「うん。じゃあ、駅までな。ここ人通り多いからはぐれるなよ」

この辺りは会社の人も通るし、もし誰かにみられたら山元さんにも申し訳ない。

「あの、離してください。この辺会社の人多いし。」

「見られたらマズい?」

まあ、良くはないよね。。噂になるのはまっぴらごめんだ。それに橋本さんのほうこそ、山元さんは大丈夫なのだろうか。誰かに見られて山元さんの耳に入って嫌な思いをさせるのは申し訳ない。

「マズくはないけど‥良くもないですよね‥」

そう言いながらやんわりと橋本さんの手から手首を話す。橋本さんも何も言わず、苦笑いしただけだった。私のことを心配してくれたのに、申し訳ない気が急にしてきて一応、ありがとう、とお礼を言っておく。

「俺今度の週末引越しなんだ」

「へぇ。どこですか?」

「ここから二駅」

「すごい!近くていいですね。」

「まあね。だけど全然準備できてなくて。買いたいものもたくさんあるんだけど行く暇なくてさ」

「先週お兄さんの結婚祝い買いに行った時、少し見ればよかったですね」

「今週の土日、買い物付き合ってよ。」

「いいですけど・・。山元さんはいいんですか?」

「山元さん?・・・野崎さんて何でいつも山元さんのこと聞くの?」

「普通気になりません?」

「…野崎さんの普通が何なのかよくわからないけど、山元さんは特に大丈夫だよ。土曜日と日曜日どっちがいい?」

「お買い物するなら早いほうがいいですよね。土曜日にしましょうか。」

「ん。じゃあ、土曜日で。
悪いんだけど、車がどうなるかわからないから、どこかの駅で待ち合わせでもいい?」

「もちろん。」

じゃあ、また連絡するね、といって別れた。

< 190 / 228 >

この作品をシェア

pagetop