年上同期の独占愛~ずっと側に
あっという間に食器類が片付いてしまったので、洗面回りを片付けようと覗いたが、お風呂場はすでに今朝か昨日使ったらしく、必要なものはそろっていた。
あとは本類やCDなのだが、これは並べる順番など好みがあるだろう。私がやるにしても指示を出してもらったほうがいい。

寝室に行き声をかけると、衣類が多いのか、まだ半分も終わってなかった。本棚の整理より、まずはこっちかな、と思い、一緒に片付けをする。ハンガーにかけるものとチェストにしまう物にわけてもらえば私でも手伝える。二人でやって30分ちょっとで終わってしまった。
いったん休憩しよう、と言われたが、一気にやってしまったほうが後から楽だ、と私が言うと、苦笑いしながらだけど、本棚の一緒に片付けを終わらせた。

「こんなことやらせるつもりなかったのに、本当にごめん。でもマジで助かった。ありがとう。」

「どういたしまして。細かいものまで片付けられませんでしたけど、後は明日ですね。」

「明日も来てくれる?」

え~、明日もかあ。正直家でゆっくりしたかったのだが・・・、まあ、これを一人で片付けるのは大変だし、いつもお世話になっているし、と思い、手伝うことにする。

「じゃあ、明日午後でいいですか?」

「もちろん、何時でも。」

ニコっと優しく笑い、頭にポンと手を置かれる。
そんな笑顔を見せられたら、少しでもお役に立てるなら、と、さっき面倒だと感じたことに少し罪悪感を覚えてしまう。

「じゃあ、そろそろ帰りますね。」

そういうと、うん、と言って橋本さんが車のキーを持ちながら玄関に向かったので、きっと私を送ってくれるつもりなのだろう。
しかし、この時間の車は道も混んでいるし時間がかかる。

「電車で帰るので、ここで大丈夫です」

「何で?送るよ。」

「電車のほうが早いし。橋本さん疲れちゃうし、まだ片付けもあるから少しでも休んでください。明日また来ますね」

「泊まってけば?」

玄関で靴を履き終わり、立ち上がって橋本さんを見て、じゃあ、また明日、と言おうとしたタイミングでとんでもないことを言い出した。

最近橋本さんのことが少しずつわかってきたが結構な俺様な性格の上に、人を揶揄って楽しむようなところもある。今だって私が橋本さんの顔を睨むように見上げると、案の定ニヤニヤとして揶揄い顔をしている。
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