年上同期の独占愛~ずっと側に
23階で降りるということは、同じプロジェクトのどこかに所属するメンバなのだが、統括メンバ以外の顔と名前がまだ覚えられていない。機械的に「おはようございます」と挨拶しながら、それぞれのブースに散る。

私のチームは女性社員は私だけだ。一番番下っ端で、一番年齢の近い先輩で6年先輩、その次に近い先輩でも10年先輩になる。私が任されているのは人事統括で、10歳先輩の原さんが直属の上司だ。

とても温厚に見えるが、統括のリーダに抜擢されるだけあり、調整能力が抜群に優れている。複数の部門とやり取りをする上で、話が拡散してしまいがちな打合せの場でも軌道修正する術にとても長けている。

原先輩の側で仕事をしながら日々勉強だ。今日は研究部門と商品開発部門から人員計画についての打合せ依頼がきている。事前に今回のプロジェクトの人員配置の資料を作成し、共有することになっている。

打合せが朝一のため、打合せ準備に取りかかっていると原さんが出社してきた。

「おはようございます。」

「おはようございます。野崎さん、悪いね、準備任せちゃって」

「全然大丈夫です。ミーティング終わったら、会議室で準備はじめちゃいますね。」

「サンキュ。それにしても、この時間のエレベータ全然来ないね。統括以外の部門の人たちって結構フレックス使って、10出社の人とか多いはずなのに、それでも混むね」

フレックス制度が導入されているが、我々は会議が多いため9時出社が通常となっているが、確かに各部門は8時出社や10時出社にずらしている人も多い。とにかくあの朝の混雑はどうにかしてほしい。

そして、本日朝一番でも打合せも、憂鬱だ・・・
研究部門と商品開発との打ち合わせは、どうしても専門用語が多くついていけないことが多々あ。、業務内容に応じた人事配置が必要になるため仕方がないのだが、質問できるような雰囲気が全くなく、打合せ後の確認事項が必然的に多くなる。

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