年上同期の独占愛~ずっと側に
顔は熱いけど、体もふらついてないし、頭もしっかりしている。
橋本さんはしばらく私を見下ろしていたが、はあー、とため息をついて

「少し休んでから帰れ。」

そう言って私の手を引いて駅とは逆の方向へ歩いて行く。橋本さんの部屋に戻るのだろう。

「少しじゃなくてずっと休む」

橋本さんの背中にそういうと、ん?と言いながら振り返り立ち止まった。

「今日はこのまま橋本さんの家で休む」

「・・・」

「泊まってく。」

私が言うと、橋本さんは苦笑いしながらふわりと私を抱きしめた。

「俺我慢する自信ないんだけど。」

「・・・」

「酔ってて訳わかってないお前に付け込むみたいなことしたくないんだけどな」

「だから私はそのまま泊まりたかったのに。」

「ん?」

「送る、とか言うから。泊まってけば?っていつもみたいに言ってくれると思ってたのに。
今日は泊まるって言いたかったけど、恥ずかしくて言えなかったからお酒飲んだの。」

「ぶはっ。お前かわいいな。」

俺、相当我慢してたんだぞ、とギュっと抱きしめてくれる。

「橋本さん、好きです」

そう言って橋本さんの顔を見上げると、驚いたように目を見開きながら私を見つめたまましばらく動かなかった。

少しして、また私の体をギュっと力強く抱きしめると
私の顔を持ち上げて最初は優しく、そして深く長いキスをした。

そのまま橋本さんに手を引かれて、部屋に着くころにはすっかり酔いが醒めてしまい、途端に緊張してきた。

ソファに座った橋本さんが、おいで、といって隣をポンポンと叩いた。
ノロノロとソファに近づき隣に座ると、ギューッと抱きしめられた。

「萌々香に触れたくて、ずっと我慢してたんだぜ」

そういうと、いきなり激しく口づけてきた。息つく間もなく、激しく口の中を舌で侵され、無意識に体がのけぞってしまうが、それを許さないように後頭部に手を回されガッチリと掴まれる。

長いキスから解放されると、橋本さんが眼鏡をはずし、テーブルにカタン、と置いた。

すると、ソファに押し倒され、さっきより激しいキスが降ってきた。

このまま、ここでするのだろうか・・・先にシャワーを貸してほしい、とか、部屋が明かるくて恥ずかしすぎる、とか色々言いたいのだが息つく間もなく激しくキスをしてくるので声が出ない。

キスが唇から離れ、顔、耳、首すじにキスされ、ようやく言葉を発する。

「シャワー・・・」

「・・・嫌だ・・・」

「明るいし、このままは無理。」

「うー・・・」

橋本さんが唸りながらも力を弱めてくれた隙に、やや強引に橋本さんの身体を押しのけ抜け出と、お風呂借りますね、と言ってバスルームに向かう。
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