年上同期の独占愛~ずっと側に
「おはよ」

「・・・おはよう」

「昨日、すっげえかわいかったから止まんなくて・・・体つらくない?」

「寝坊しちゃったね。ごめんね。」

「ううん。俺のほうこそごめんな。」

昨夜、とっても優しくしてくれて、ものすごくかっこよかったことを思い出し、ギューっと抱き着くと橋本さんも私の頭を抱えてギュっと抱きしめてくれる。

「すっごい幸せな時間だった。嬉しかったよ。ありがとね。」

私が言うと、抱きしめている腕にさらに力が入り驚いたように体を離し

「マジか・・・。そっか。お前、ほんとかわいいな。」

そう言ってもう一度抱きしめてくれた

私も
「好きです」と言ってもう一度抱き着くと

「俺もすごい好き。すげえ嬉しい」

約束どおり、映画に行こうか、と、二人で起きだし支度をする。
橋本さんがコーヒーを入れてくれて、パンとサラダと簡単な朝食をとる。

車で行こう、と観たかった映画に行き、夕食を食べたら、送るね、と言って車を走らせてくれる。
本当はもっと一緒にいたいが、昨日は急に泊まってしまったので、今日は帰ったほうがいいだろう。

家の側に車を停めると、橋本さんも一緒に降りてくる。

「あの、ここで大丈夫。送ってくれてありがとう。」

「家の人いるの?ご挨拶させて。」

挨拶?!そんな急に挨拶だなんて、橋本さんとお付き合い始めたことも言ってないのに、急に男の人を連れてきたら驚くだろう。

「き、今日はここでいいよ。昨日外泊して、今日橋本さんと一緒に帰ったら気まずいし、ね。また今度」

私が慌てて言うと、それもそうか、と言って立ち止まってくれる。

「じゃあ、また改めてご挨拶させて。今日はありがとね。」

「こちらこそ。送ってくれてありがとう。
あと・・・挨拶するって言ってくれて、嬉しかった。ありがとう。」

「おう、じゃあ、またな。今日は早く寝て。」

「うん。帰り道、気を付けてね」

橋本さんの車を見送ってから玄関に入ると、母がちょうど玄関で靴を揃えていた。

「ただいまー。・・・お母さん、出かけてたの?」

「うん。今帰ってきた。さっきの彼、どちら様?」

見てたんだ・・・・。そうだよね、このタイミングなら間違いなく見られていただろう。

「同じ職場の人なんだけどね。2つ年上なんだけど、同期入社で・・・」

「送ってもらったの?上がってもらえばよかったのに」

「うん。また今度ね。改めて紹介するよ。」

「お付き合いしてるの?」

「そうしようかな、って思ってる。」

既に付き合っているのだが、何となく気まずくて変な答え方になってしまう。

「そう。じゃあ、今度紹介して」

母の柔らかい笑みを見て、少しほっとする。
亮とのことがあり、今度は大丈夫なんでしょうね、どこの誰なの?と、問い詰められるかも、と少し不安だった。

だけど、橋本さんならきっと大丈夫だ。両親も会えばすぐに橋本さんが素敵な人であることをわかってくれるだろう。


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