年上同期の独占愛~ずっと側に
「明日、俺の実家、一緒に行かない?」

「え?」

「兄貴夫婦も子供連れて遊びに行くって言ってたから、俺たちも遊びに行こうぜ。」

「遊びにって・・・ご挨拶、だよね」

「そんな固く考えなくていいって。ウチは全然平気だから。」

平気と言ったって、そうはいかないだろう。

橋本さんと別れ、両親に、明日橋本さんのご実家に遊びに行くことになったと言うと、母が手土産を用意してくれた。

ご挨拶・・・遊びに・・・どんな服を着ていけばいいんだろう。
あまりカジュアル過ぎず、フォーマル過ぎず、オフィスにも着ていけそうなネイビーのワンピースを選び、明日に備える。

翌日、橋本さんのご実家の最寄りの駅で待ち合わせをして一緒に向かう。
すると、既にお兄様夫婦が来ていて、お義姉さんが赤ちゃんを抱っこして玄関で出迎えてくれた。
以前、一緒にプレゼントを選んだことを橋本さんが伝えていたらしく、その節はありがとう、とお礼を言ってくれた。

橋本さんのご両親は、とっても穏やかな人で、お義父さまは、橋本さんとよく似た雰囲気の学者タイプの人だった。お義母さまとても大らかな優しい肝っ玉母さんみたいな人で気さくに話しかけてくれるとてもいい人だった。橋本さんのクールな雰囲気は完全にお義父さま似だ。お義兄さんもお義父さまに雰囲気がそっくりなので、お義母さまだけが雰囲気が違い、とても話しやすかった。

緊張したけど、とても楽しくて幸せな時間を橋本さんのご実家で過ごすことができて、私は幸せ者だと心から思った。

「少しだけ寄り道するよ。」

橋本さんが車を走らせて到着した場所は、お義兄さんたちのプレゼントを買いに来た場所だった。
食事をした後、海辺を散歩したあの時のように、手をつないで散歩する。

「ここで、萌々香を怒らせたんだよな」

「・・・怒ったっていうか、橋本さんの真意がわからなかったから変に構えちゃって・・・。ごめんなさい」

林君のことや亮のことを聞かれて、振られてばかりのくだらない恋愛ばかりしてる女、と思われてると思い込み、つい棘のある返事をしてしまった。
後から、橋本さんは私に告白するために、過去の恋愛にはもう未練はないかどうか知りたかっただけなのだとわかったのだ。

「俺もなかなかのヘタレだから、萌々香を手に入れるまで1年以上かかった。長かったな~」

苦笑いしながら私の頭ポンと撫でる

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